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2022.09.08
突然の事故や設備トラブルで予期しない停電が発生!特別高圧電気設備の管理者であるあなたのもとには、不安を抱え、途方に暮れた従業員から「どうなっているんだ?」「いつになったら復旧するんだ?」とひっきりなしに問い合わせが入ってきます。停電が長引けば長引くほど、商業施設の場合はテナントの営業ができず、工場の場合は生産ラインがストップしたまま。このままでは莫大な損害が出てしまいます。
このような事態が発生したときに求められるのは、安全・的確かつ迅速な事故対応による復旧作業です。
停電事故対応を安全・的確かつ迅速に行い、被害を最小限にとどめるには、年次点検時の停電作業経験だけでは足りません。停電事故に対する事故復旧対応力を身につけることが必要です。
今回は、電気設備を管理するすべての方に知ってほしい、突然の停電事故にも慌てず対処するために押さえておきたいポイントや考え方を解説しながら、事故復旧対応力を身につける方法をご紹介します。この力が身につけば、普段の電気設備の安定運用や技術継承にも必ず活かされることでしょう。
自然災害や人的災害などさまざまな要因で発生する停電事故や設備のトラブルなど、突然発生する停電に対して対処方法が分からず、放置したり慌てて誤操作をしてしまったりすると二次災害を引き起こし、さらなる大きな損失や人命に関わる事故につながってしまいます。
では、停電を速やかに回復させ、二次災害を防ぐにはどうしたらよいのでしょうか?
はじめに停電事故発生から事故原因を特定するまで、安全・的確かつ迅速な対応をするために欠かせない確認事項をご紹介します。
構内から予期せぬ停電が発生したと報告が入ったら、まずは以下の点を確認します。
・人身災害、火災、爆発等はなく、安全が確保できているか
・非常用発電機で一時的に停電が復旧しているか
・非常用発電機の燃料等から発電継続時間はどの程度見込めるか
・停電を回復できる見込みがあるか
続いて、事故個所を特定するために必要な事項を確認します。
・停電は電力会社側なのか、お客さま構内側なのか
・送電線電圧の有無の確認ができるか
送電線に電圧がきていない場合は、電力会社(一般送配電事業者)の給電所または制御所に確認をしてください。
停電の原因がお客さまの構内にある場合は、以下を確認します。
・電気設備の作業有無などの安全確認
・保護継電器の動作、および開閉器の状態確認
(どの保護継電器が動作して、どの遮断器が遮断しているかを確認)
以上の結果から、事故範囲を特定し、状況に応じた適切な処置を行います。
事故範囲や原因を特定することは、決して簡単なものではありません。
設備事故を見極めるには、保護継電器の働きとともに、整定値の設定の考え方を知ることが重要です。
あわせて、事故が起きたら自動で復旧する仕組みについての理解も欠かせません。
また、自動切換装置や非常用発電機が起動する仕組みについても、普段からしっかり理解して事故対応に備えておきましょう。
ここまで、急な停電時に確認すべきポイントをご紹介しました。
当たり前のことだと感じられるかもしれません。しかし、実際に停電が発生すると「頭の中が真っ白になって何もできなかった」「判断に迷っているうちに、二次災害が起きそうになった」といったケースが多く発生します。分かっているつもりでも、経験や知識が限られていると、いざ事故を目の前にしたときに動揺してしまい、冷静な判断ができなくなるものです。
このような事態に陥らないようにするにはどうしたらよいのでしょうか?停電事故に対応するためには、“準備”が重要です。具体的にどのような準備が必要なのか、停電事故の流れにそってみていきましょう。
1つ目は、平時に事故の想定を行うことが挙げられます。もし事故が発生したらどうなるのか、どのような対応が必要となるのか、具体的に事故パターンを想定し、影響度合いも含めてイメージしておくことが大切です。例えば、電力会社側の事故なのか、お客さま構内の事故なのか、それぞれの場合でさらに細かな事故ケースが考えられます。
いずれの場合においても安全かつ的確に対応できるように準備しておきましょう。
2つ目は、お客さま構内の設備がどのような事故のときにどう動作するのかを把握しておくことです。いざというときに慌てることのないよう、平時に各設備の動作条件をしっかりと把握しておきましょう。
3つ目は、さまざまなケースの事故を想定した「事故復旧手順」を作成し、内容をしっかり理解しておくことです。
手順書は、作成したら終わりではありません。ある日突然事故が起きたとしても落ち着いて的確に対応できるよう、手順書を繰り返し確認して、操作手順をよく理解しておきましょう。
そのほかにも欠かせないのが、作成した事故復旧手順に基づくリアルな訓練です。実際に作成した手順書をもとに行動し、適切な復旧操作ができるかを確認してみましょう。手順書通りに行動して、適切に復旧作業はできたか否かは、事故の際、迅速かつ的確な対応ができるか否かに直接つながります。
とはいえ、「うちのシステムではどんな事故が想定されるのかも分からないし、訓練のために実際の操作盤を使うなんてことはできない」「そもそも事故復旧手順も現実のシステムに追いついていないし、改訂する時間もない」「リアルな訓練なんて無理だ」とあきらめてしまう方が多いのも現実です。
予期しない停電対策に欠かすことができない、事故復旧手順の作成やリアルな訓練。必要だと分かっていても、なかなか着手することができないとお困りの場合は、東京電設サービスにご相談ください。
東京電設サービスでは、お客さまの課題に即して最も効果的な研修内容をコーディネートする「事故復旧対応研修」をご提供し、事故復旧対応力の向上を全力でサポートいたします。
「事故復旧対応研修」では、お客さまの電気設備をリアルに再現した教材用シミュレータとオリジナルテキストを使用しますので、実際のトラブルに即した実践的なスキルを身につけられます。
研修教材の制作にあたっては、東京電力グループとして電力会社での多種多様な電力設備の運用実績や事故対応の経験から、電力会社側の事故はもとより、お客さま構内の事故を想定し、さまざまな角度から必要事項を確認しますので、お客さまがメーカーに一つひとつ問い合わせる必要はありません。
さらに、「事故復旧対応研修」は、現場のさまざまなお困りごとにもご活用いただけます。
例えば
・ベテランが不在時でも、若手が電話で指示を仰ぎながら安全・確実に操作するために
・複雑なシーケンス制御を分かりやすく、普段の操作にも実践的に教える教材に
・電気主任技術者の引き継ぎに
・過去の経験値がバラバラな社員の技術レベルの向上に
など、忙しくてなかなか手がつけられなかった事案を解決することが可能です。
実際に導入されたお客さまからは
「普段触れない監視画面を、教材用シミュレータでリアルに操作できるので、自信を持って操作できる」
「なんとなく分かっているつもりでいたが、体系的に理解することができた。」
「他所から異動してきて特高を扱うのは初めてで不安があったが、教材用シミュレータは場所を選ばず繰り返し使えるのがよい」
「増設を繰り返してシステムが複雑化・大規模化しており、いざという時にどこから手をつけてよいかわからなかったが、1次対応のポイントがつかめた。」
といったお声をお寄せいただいています。
「事故復旧対応研修」は、お客さまのご要望・ご予算に応じて対応いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。
今回は、予期せぬ停電が発生したら直ぐに確認したいポイントや、事故原因の探り方などをご紹介しました。
停電事故の対応は、安全・的確かつ迅速に行わなければいけません。さらなる被害の拡大や、ときには人命に関わることもある誤操作は、あってはならないものです。いざというときに間違いのない対応を行うためにも、手順の明確化や内容確認を怠らないこと、そして小さな事故から大きな事故を引き起こさないようにすることがなにより大切といえます。
お客さまの現状に則した事故復旧手順と訓練で、予期せぬ事故にもしっかり対応できる力を身につけていきませんか。
リアルな訓練で身につけた対応力は、日々の設備の安定運用や技術継承 などにも活かされることでしょう。
・人身災害、火災、爆発等はなく、安全が確保できているか
・非常用発電機で一時的に停電が復旧しているか
・非常用発電機の燃料等から発電継続時間はどの程度見込めるか
・停電を回復できる見込みがあるか
事故個所を特定するために確認すること
・停電は電力会社側なのか、お客さま構内側なのか
・送電線電圧の有無の確認ができるか
構内の事故の場合に確認すること
・電気設備の作業有無などの安全確認
・保護継電器の動作、および開閉器の状況確認
・どの保護継電器が動作して、どの遮断器が遮断しているかを確認
事故範囲や原因を的確に判断するためには?
・保護継電器の働きや整定値の設定の考え方をおさえておく
・事故が起きたら自動で復旧する仕組みについて理解する
・自動切換装置や非常用発電機が起動する仕組みについて理解しておく
・平時に事故の想定を行う
・お客さま構内の設備毎の動作状況を把握しておく
・事故復旧手順を作成し理解する
・実際の事故を想定したリアルな訓練を行う