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【原因編】ボルト・ナットが外れない!その原因は? 保全マンが知っておくべき対処法

いざというときにボルト・ナットが外れない!ということはありませんか?

ボルトやナットが外れなくなると、切断工具を使って切断するなど、大がかりな作業が発生します。

今回は、ボルト・ナットが外れなくなる原因と一般的な回避方法についてご紹介します。

ボルト・ナットが固着して外れない!?

これから作業を始める、という時に「ボルト・ナットが固着して外れない」という経験はありませんか? ボルト・ナットが外れないと予定していた作業が進まず困ってしまいます。

 

サンダーやグラインダーを使用して切断するとなると、切創等の災害リスク対策や、場所によっては火気作業に伴う申請等も必要となり、極力さけたいところです。

そこで、今回はボルト・ナットが外れなくなる原因と回避方法について、分かりやすくお話ししていきます。

 

 

ボルト・ナットが外れなくなる原因と回避方法

ボルト・ナットが外れなくなる原因には、大きくわけて3つあります。

 

1.かじり

2.異物、変形

3.ボルトねじ山の錆

摩擦熱による「かじり」

ボルトを締める際の摩擦熱により、ネジ山が溶着することを「かじり」といいます。

特にステンレスのボルトではこの「かじり」がよく発生するといわれています。

ステンレスの特徴
  • 摩擦係数が大きい → 鉄鋼に比べ、熱が発生しやすい
  • 熱伝導率が小さい → 鉄鋼に比べ、熱が逃げにくい
  • 熱膨張係数が大きい → 鉄鋼に比べ、おねじとめねじが密着

 

高温環境下の作業では、摩擦係数が大きくない材質でも熱が発生する可能性があるため、注意が必要です。

 

この「かじり」を回避するためには、以下のような方法があります。

 

  • 潤滑剤を使用する
  • トルク管理をする
  • ゆっくり締めていく(電動工具は使わない)
  • 摩擦係数の大きい材質は使用しない

 

潤滑剤を使用し、トルク管理しながらゆっくり締めていくことで、「かじり」がおこりにくくなります。

 

締結時に異物を巻き込む

ネジ山やナットの内溝に切粉やゴミがある場合には、異物を巻き込んであかなくなることがあります。

その他、ネジ山の品質(バリ等)、欠損・変形している場合にもおこり得ます。

異物の巻き込みを回避するには、以下のような方法があります。

  • ゴミ、バリを確認したら清掃する
  • 欠損したボルトは使用せず、すぐに取り替える
  • 締め付け時に抵抗を感じたら一旦抜く

 

異物が存在している場合は、締め付け時に違和感があります。

その場合は一度もどして、ネジ山とナット内部の内溝を確認しましょう。

ネジ山が錆びる

ボルトのネジ山が錆びて膨張した状態になると、ナットが外れなくなります。

塗装をおこなえばサビの発生を防ぐことができますが、ネジ山に塗料が詰まると異物同様に、開閉ができなくなります。

サビによるボルト・ナットの固着を回避するためには、以下のような方法があります。

 

環境整備

室内環境の場合、腐食性ガスの排出や、高湿度環境の改善で腐食の進行を抑制することが可能です。

 

ステンレス・高耐食性ボルト・ナットの使用

ステンレスや耐腐食性の高いめっきボルトやナットを使用して腐食を防止します。

 

防錆グリス

防錆油や防錆グリスをボルトに塗り、サビを防止します。

 

ボルトキャップ&シーリング材

ボルトキャップはサビ止め効果の向上と落下防止のため、一般的にシーリング材(接着剤)を併用します。

 

今回は、ボルト・ナットが外れない原因と一般的な対処方法についてご紹介しました。

次回は、オススメの対処方法についてご紹介いたします。

 

 

まとめ

いかがだったでしょうか?

ボルト・ナットが外れないと、叩いたり、切創工具で切断したりと災害リスクの高い作業が発生してしまいます。

「ボルト・ナットが外れない!」という経験をされた方は、今回ご紹介した回避方法をお試しください。

 

さらに、

ステンレスボルトは費用が高いし、かじり対策のテマがめんどう・・・。

防錆グリスは雨で流れ落ちて、結局サビてしまう・・・。

などのお困りごとがある方には、次回の記事でおすすめの対策法をご紹介いたします。

→【対処・対策編】ナットが外れない!と困るその前に。保全マン必見の対処・対策法

もう一度、今回の内容をおさらいすると、

・ボルト・ナットが外れなくなる原因は、「かじり」「異物・変形」「ネジ山の錆」の3つ
・「かじり」の対処方法は、
    1. 潤滑剤を使用
    2. ボルトナットは摩擦係数の小さいものを使用
    3. トルク管理しながらゆっくり締める
・「異物・変形」の対処方法は、
    1. ゴミ・バリの清掃
    2. 欠損したものを使用しない
    3. 抵抗を感じたら抜いてネジ山を確認
・「ネジ山の錆」の対処方法は、
    1. 環境整備
    2. ステンレス、高耐食性めっきの使用
    3. 防錆グリス
    4. ボルトキャップ&シーリング材

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