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「サビてあかないボルト」問題を解決!作業効率もアップ!
2020.04.01
ケーブルの地絡事故が起きたが、原因を究明し、上層部へ報告するにあたり、どのような調査をすれば良いか分からない。
また、ケーブルシステム全体としての調査も必要となったので、あわせて調査してくれるところを探している。
事故現場の調査を行い、ケーブル布設ピット内の温度が高いことに着目。
異物確認のために管路内TVおよび管路内温度調査を実施した結果、常に高温下にあった上、事故ケーブルは1管路に2条布設されていたことが分かりました。ケーブル熱履歴を調査した結果からは、絶縁体である架橋ポリエチレンが融点を超える温度であること、また、絶縁体の酸化劣化調査からは余寿命診断技術(当社技術)により、すでに事故点付近は寿命に達していたことが判明しました。さらに、送電容量を確認したところ、負荷電流が許容電流値の限界値付近で常に運用されていることも分かりました。
これらの一連の調査結果から、高負荷運転による絶縁体の酸化劣化が事故の原因であることをつきとめ、ご報告しました。
現状の1管路1条布設の環境でも高温となることが懸念されるため、万一の事故を未然に防止するためにも、定期的な負荷状況の確認と点検をご提案するとともに、運用に適したケーブルの選択・布設方法などについてもご提案しました。
ケーブルは通常、人目に触れない場所に布設されていること,機械的に動作しないことから,その存在が薄れがちですが、だからこそ定期的な点検・診断により、その状態を把握しておくことは大切です。
また、万が一ケーブル事故が発生した場合は、当社に原因調査をお任せください。
水トリー調査から化学分析調査まで、豊富な経験とノウハウでご満足いただける結果をご提供いたします。調査結果から、同様の布設環境にあるケーブルのコンサルティングも可能ですので、ぜひお問合せ下さい。
架橋ポリエチレンの特性を利用し,本ケーブルが過去に受けた,最終・最高の温度履歴を示差走査熱量計<DSC>を用いて調査するもの。
FTIR により、絶縁体(架橋ポリエチレン)が酸化劣化した際に、酸素と結合して生成される分子(カルボニル基)を定量分析することで、絶縁体の酸化劣化傾向や余寿命を診断する。